SNSを開くと、結婚相談所のアドバイザーによる華やかな実績報告が目に入ります。 「30代男性会員、入会1ヶ月でお見合いが35件決まりました!」
一見すると、「そんなに組めるなんて凄腕のアドバイザーだ!」「自分もそこに入会すればモテモテになれるかも」と思ってしまうかもしれません。
しかし、冷静になって現場の現実を想像してみてください。1ヶ月で35件のお見合いを遂行する負担とリスクを、そのアドバイザーは本当に理解して提案しているのでしょうか?
結論から言うと、これは会員の幸せを考えたサポートではなく、アドバイザーのパフォーマンス(実績作り)に過ぎません。今回は、なぜ「お見合いの組みすぎ」が婚活を壊してしまうのか、その理由と正しいアドバイザーのあり方について詳しく解説します。
1. 物理的・精神的に破綻する「35件のお見合い」のリアル
まず、月35件のお見合いを消化することがどれほど過酷か、具体的なスケジュールで考えてみましょう。
- 毎日1人とお見合いしても、消化に1ヶ月以上かかる
- 1日に3人と会ったとしても、毎週末が潰れて最低12日が必要
仕事を持ちながら活動している30代の社会人男性が、休日をすべてお見合いに捧げ、1日に何人もの初対面の人と会い、気を遣いながら会話を続ける――。これがどれほどの労力か想像がつくでしょうか。
お見合いは単に「1時間お茶を飲む」だけではありません。 身だしなみを整え、移動し、お相手のプロフィールを頭に叩き込み、会話を盛り上げ、終了後に振り返り報告をする。これを1日3回繰り返せば、脳も体も疲弊しきってしまいます。
結果として起きるのは、「楽しむはずの婚活が、ただの作業(作業ゲー)に変わってしまう」という悲劇です。
2. 誰も選べなくなる「目移り」と「疲弊」の無限ループ
たくさん会えば素敵な人に出会えると思いがちですが、実際は逆です。短期間に大量のお見合いを組むと、次の3つの罠に陥ります。
① 人物の記憶が混ざり、誰が誰だか分からなくなる
1日に2〜3人、週に8〜10人の初対面と会っていると、「誰が何を話していたか」「どの人がどんな価値観を持っていたか」の記憶が曖昧になります。お礼の返信や次回デートの会話でもボロが出やすくなり、お相手にも「自分に興味がないのかな」と伝わってしまいます。
② 決断力が麻痺し「もっと良い人がいるかも」病に落ちる
人間が一度に正しく比較・判断できる人数には限界があります。選択肢が多すぎると「今日の人も良かったけれど、来週会う人の方が良いかもしれない」と目移りし、目の前の相手と深く向き合う姿勢が失われます。
③ 最終的に交際へ進めるのは「たった1人」
どれだけ会おうとも、最終的に結婚するのはたった1人です。仮に数人と交際に進めたとしても、スケジュールのやりくりが行き詰まり、連絡の返信すら苦痛になって「キャパオーバーで全員お断り」という最悪の結末を迎えるケースとなることも考えられます。
3. 本当に恐ろしい「アドバイザーの技量不足」
今回の一番の問題は、会員に35件ものお見合いをそのまま組ませてしまったアドバイザー側の配慮不足と技量のなさです。
プロの仲人・アドバイザーの役割は、単にお見合いのセッティング(マッチング)をすることではありません。会員が「健全なコンディションで、1人ひとりと丁寧に向き合える環境を整えること」こそが本質です。
入会直後の「ビギナーズラック」で申し込みが殺到することは珍しくありません。だからこそ、経験のあるアドバイザーであれば、以下のようなブレーキをかけるべきなのです。
「〇〇さん、たくさん申し込みが来て素晴らしいですね!ですが、一度に会いすぎると絶対にキャパオーバーになります。まずは本当に会ってみたい5〜6人に厳選して、しっかり向き合っていきましょう。残りの方はタイミングをずらしましょうね。」
会員のキャパシティを見極め、アドバイスとスケジュール管理を行うのがプロの仕事です。 「35件決まりました!」とSNSで自慢気に発信しているアドバイザーは、「会員がどれほど大変な思いをするか」「結果として成婚から遠のいてしまうリスク」に想像が及んでいないと言わざるを得ません。会員の負担よりも、自社の見栄えやアピールを優先している証拠です。
4. 婚活中のあなたが「数字のパフォーマンス」に惑わされないために
もしあなたが現在婚活中で、なかなかお見合いが組めずに悩んでいたとしても、「月35件」といった極端な数字を見て焦る必要は一切ありません。
婚活で本当に大切なのは、「お見合いの数」ではなく「1回あたりの出会いの質」です。
婚活を成功させるための正しいアドバイス
- お見合いは週に1〜2件(月4〜8件程度)が適正ペース 1人ひとりとしっかり会話を振り返り、丁寧にお礼を伝えられる余裕を持ちましょう。
- キャパオーバーを感じたらすぐにアドバイザーに相談する「断るのが申し訳ないから」と無理に日程を詰め込む必要はありません。
- 「数」を競う相談所ではなく「質と伴走」を重視する相談所を選ぶ 入会数やお見合い数ばかりを実績として誇示する相談所ではなく、会員のメンタルや交際管理まで細やかにサポートしてくれるアドバイザーを選んでください。
まとめ:結婚という「ゴール」を見失わないで
婚活のゴールは「お見合いをたくさんすること」ではなく、「たった一人の素晴らしいパートナーと出会い、絆を育んで成婚すること」です。
アドバイザーの言葉やSNSの派手な実績数値に振り回されず、自分の心と体が心地よく活動できるペースを守ってください。そして、あなたのスケジュールやメンタルを第一に考え、適切にコントロールしてくれる「本当のプロ」と一緒に婚活を進めていきましょう。
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結婚相談所いろは
認定仲人士 岡村まさのり
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